赤外線CCDカメラでの眼振検査

赤外線カメラでの眼振検査 ▼めまいの原因の3分の2は内耳の前庭(耳石器)・半規管[迷路とも言います]の異常が原因といわれています。 そこに異常が起きるとめまいを感じます。と同時に、眼球が動きます。これを眼振(迷路性眼振)といいます。  この眼振は、ゆっくりした動き(緩徐相)と早い動き(急速相)の繰り返しの動きです。めまいを感じているときにこの眼振が確認できれば、ほぼ内耳の異常からのめまいと考えられますので、めまいの診断には欠かせない検査です。この眼振は何かものが見えている状況ではその動きが弱くなります。 激しく動いている場合は裸眼でも見えますが、少し弱くなると本当はまだ眼振があるのにそれを確認できないという状況になります。ですから、眼振の観察には患者さんは真っ暗で何も見えないという状況で観察するのが一番です。 赤外線カメラを用いて観察を行うのはそのためです。赤外線は人の眼では見えません。何も光がないのと同じ条件で眼の動きの観察が出来ます。 ▼症例を提示します。なお早く動くほうの動きを眼振の向きと定義しています。 左向き眼振というのは、患者さんの眼が(患者さんの)左の方向に速く動く、 時計回り眼振というのは、患者さんの眼が(医者から見て)時計回りに速く動くことを意味します。

 

症例1.左向き水平性眼振

症例2.左向き水平回旋混合性眼振

症例3.時計回り回旋性眼振

症例4.反時計回り回旋性眼振

以下の眼振には同時に頭位が表示されます。白い四角がある場所がその頭位を示しています。

機器写真

 

症例5-1.座位→仰臥位での反時計回り回旋性眼振

症例5-2.座位→仰臥位での反時計回り回旋性眼振(5-1と同一症例:3か月後)